Main 2 ニコニコと笑顔を浮かべたまま、安史は立ち上がる。 久々……といっても、ひと月位ぶりに会った彼は、少し背が伸びた様に思う。 長身な彼を見上げ、オレはある事に気付いた。 「あれ?制服……」 今までの安史は、以前の学校のものである詰襟の学生服だった。 編入してから暫く経ってもそれが変わる事は無く、まるで此処に留まる気は無いと主張しているかの様だったけれど。 「似合いますか?」 少しはにかむように笑む彼は、真新しいブレザー……うちの学園の制服に身を包んでいた。 「……うん、似合うけど」 「良かった」 どんな心境の変化ですかと続けたかったが、至極嬉しそうな笑顔に飲み込む羽目となる。 ヤンデレ笑顔よりも邪気の無い笑顔の方が、ある意味質が悪い事を知りました……。 「生徒会補佐になるのに、違う学校の制服じゃ、締まりませんからね」 「…………はぁっ?」 あー成る程。生徒会補佐になるから制服つくったんだぁ、納得。と頷きかけたオレは、数秒後に大きく目を見開いた。 今、コイツ何て言った?? . [*前へ][次へ#] [戻る] |