Main 早速か。 「………………。」 朝からオレは、自分の下駄箱を見て、ため息をつくはめになった。 ちなみにベタに生ゴミが入っている訳じゃあないよ。 お坊ちゃんらに生ゴミは扱えまい。オレ的にも、これからの季節を考えると、その手の嫌がらせは勘弁していただきたいので、助かりますが。 じゃあ何だよ、と。 下駄箱では、オレのものだったであろう室内用の靴がズタボロになってました…。 カッターか何か…刃物的なもので切り裂かれてます…………怖っっ! 「……オレの靴。」 「ほらよ。」 「…!?」 しょんぼりと俯いたと同時に、ポン、と足元に靴が置かれた。ナニコレマホウ? 「……本当にオレの靴だ!」 足元に用意された靴を見てみると、代わりの靴ではなく、本物のオレの靴だった。 靴底の側面部分に『SA.R』と書いてある。ちなみにSAITOUと書きかけて面倒臭くなった為、中途半端なのだ。 「…何で?」 「こんな事だろうと思って、空いてる所に突っ込んでおいた。」 やる気なげに告げる武藤が、今日は輝いてみえそうです。 …あれ?じゃあこの切り刻まれた哀れな靴は何ですか? . [*前へ][次へ#] [戻る] |