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黒さんに電話


『…ギリでセーフ、か?』


長く息を吐き出した後、黒さんは笑い混じりの声でそう言った。


確かにいつもだったら、切ってたかも。
出られない状況の時だってあるだろうし、あんまりしつこくして、迷惑かけるの嫌だし。


苦笑しながら、セーフです、と返すと、黒さんは電話越しに苦笑を深める。


『頑固なくせに、そんな時だけ諦め早いからなぁ、お前。』

「…そんなこと、」

『無くはねぇ、よな。』

「………………はい。」


なんでもお見通しな様子に何か悔しくて、少しだけ反論を試みるが、それすらも先回りされ、オレは憮然としつつも肯定した。


頑固な事も、
そのくせ臆病で、引いてしまう事も、

悔しいけど、自覚済みな事実です。


電話越しでも、オレが拗ねた事が分かったのか、黒さんは喉を鳴らして笑う。


…相変わらずオレとこの人の開きは縮まってないらしい。
何でこんなに違うんだろ。二歳しか違わないのに…あ、今は三歳差か。

その三年の差は、驚く程大きい。


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あきゅろす。
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