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「……………、」


オレが目を見開いていると、武藤は苦く笑む。


その笑みは、極稀に見せる黒さんのそれに少しだけ似ていて、


オレは今更ながら、自分の猪突猛進さを知るのだ。


…もしかして、黒さんも、こんなふうに心配していた?

オレに悟らせないようにしていただけで、

手のかかる子供を心配しつつも、ぐっと堪えて見守っている親のように

黒さんも、――


「…なぁ、斎藤。お前のそういう部分、オレは好ましいと思う。」


呆然としているオレに、西崎は、武藤の言葉を継ぐように語り掛けてきた。


「信念を貫こうとする姿勢も、意外と矜持が高い所も。…でもな、自分の力で立つ事と、他人の手を拒む事は違う。」

「…え、」

「お前は、自分に厳しすぎる。…自分一人の力でどうにもならなかったら、誰かを頼る事は、悪では無い。」


西崎は、ぽかんとするオレに、笑みかける。


「最初から寄り掛かるのが嫌なら、ちゃんとそれを含め話しておけ。…お前が頑なに手を拒んでいたら、いざというとき、手を貸す事も出来ないぞ?」


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