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6
「うん。」
保護者、なんて言葉では言い表わせない。
失われた筈のオレの世界を、取り戻してくれた人。
彼は最早、オレにとって『世界』の同意語。
迷い無く頷いたオレを見て、西崎は光源を見つめた時のように、目を細める。
僅かに俯き、そうか、と短く返す声は、少しだけいつもより力無かった。
だがそれは一瞬で、次に顔をあげた西崎は、何時も通りの冷静な彼だった。
「……お前の言い分は分かった。」
「…じゃあ、」
「分かったが、…それなら尚更、報告をしておけ。」
「!」
オレは西崎の言葉に目を瞠る。
分かった、のに、何で?
そう瞳で問うオレに、西崎は、チラリ、と視線を武藤に向けた。
それに気付いた武藤は、苦い顔で黙り込む。
「……………。」
しかし数秒沈黙が続いた後、ガシガシと頭をかき、長く息を吐き出した。
「…オレもそれに賛成だ。」
「……………、」
納得出来なくて、俯きそうになるオレの頭を、武藤はワシワシと撫でた。
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