Main いつも 「……………。」 何処を通って、どうやって帰って来たかなんて覚えていない。 どうやって学園に入ったかも。 多分、西崎が手を貸してくれたんだろう。 でもオレは、呆然としたままで、全く覚えていなくて、 気付けば、自分の部屋に着いていた。 ドアを開けてくれたのは、西崎で、 その西崎は今、難しい顔をしたまま、腕組みをして、オレの前に仁王立ちしていた。 「…………、」 無言の圧力。 眉間には深いシワ。目は鋭く、唇は引き結ばれている。 「…………。」 怒っている、んだろうな。 当り前だ。 長い時間留守にして、心配かけた。 しかも、心配させた上に、またオレ怪我してるし、 ………最悪なことに、 会長に見つかった。 今回ばかりは弁解すら出来ない。 いつもいつも心配かけて、それなのに文句言いつつもちゃんとフォローしてくれていたのに 勝手な判断で行動した挙げ句、最悪の事態に陥ってしまった、なんて。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |