Main 3 「…何でぶっ飛ばさないの。」 「……あー。……うん。ぶっ飛ばせばよかったんだろうなぁ。今ならちょっと分かる。……そのまま見なかった事にして、会話続けちゃったから、オレらは泥沼にハマったんだろうね。」 苦い…苦い記憶。 初めての恋人を思い出す時、オレの胸に甘さなんてない。 苦い後悔ばかりが、ただ胸を占める。 「その後も知らないフリして隣にいたけど、太陽の浮気はどんどん酷くなっていった。同世代の女の子だけじゃなくて、年上のお姉さんから、果ては年下の男まで。…隠す気なんて無いのか、場所も憚らず、オレの前でも平気でキスしたり。」 ぎゅうって掌を握り込む。 「……オレはもう、アイツが好きなのか憎いのかさえ分からなくなった。…嫉妬して、それでも別れる事も出来なくて、苦しくて哀しくて…………でも、オレにはそんな権利なかったんだよ。」 「………何で?」 「……オレには、アイツより大切な人がいたから。」 未来君の目が、見開かれる。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |