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「…撫子さんが?」

「うん。」


しずかちゃんは、コクリと頷いた。


「桜子と撫子ちゃんは、姉妹だけど、全然違う。…桜子は、悲しい事や辛い事があっても、それを受け止めて、1人でも立ち上がって前を向ける。…でも、撫子ちゃんには、それは無理なんだ。母と同じ…誰かに寄りかかり守ってもらわなければ、生きていけない、儚い、花。」

「…………。」


そう語るしずかちゃんの横顔こそが、とても儚かった。


ぎゅっと、繋ぐ手に力を込めると、しずかちゃんは困ったように笑む。


「……ソレを甘えだと言えるのは、乗り越えられる強さを持つ者のエゴだ。……オレには、その弱さを罪だとは思えない。見てみぬ振りも、…その手を振り払う事も、出来ない。」

「…………?」


何故か、しずかちゃんの手が強ばる。
急激に冷えた指先と、同じように顔色をなくした彼に、オレは戸惑う。


「………しずかちゃん?」

「っ…!!……あ、ごめん。」


しずかちゃんは我に返ったようにビクリと跳ね、次いで取り繕うように笑った。


スルリと指も離れてしまい、もう彼の動揺を推し量る事は出来ない。


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あきゅろす。
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