Main 4 「…優しいのは、斎藤君でしょ。」 桜子さんは、そう言って相好を崩した。 「優しくなんて無いです。てか、社交辞令で言ってるわけじゃなくて、桜子さんは、本気で可愛いですよ!」 うん。これは譲れない。 だってオレ、こんな可愛い子、他に見た事無いし! 「………待って。あんまり言われ慣れてないから、照れるよ…。」 マジな顔で言い切るオレに、桜子さんは、頬を薄紅色に染めた。 えっ…マジ、何ですかこの可愛い人…!! しずかちゃん、絶対見る目無い!! そりゃ、撫子さんも美人さんですが、桜子さんに好かれて落ちないなんて…本当に男か!? 「…でも、ありがと。……凛君。」 桜子さんは、はにかむように笑み、そう言うと、 「…っ!!」 チュ、と可愛らしいリップ音とともに、オレの頬にキスをくれた。 ヤバイ。鼻の下のびてない?オレ。 「…………。」 「…うわっ!?」 真っ赤になった顔で、頬を押さえぼんやりしていたオレは、何故か後ろから突然、凄い力で引っ張られた。 「…何をしている。」 うわぁ…。 そういや、ずっと無言だったから忘れてた。 つか、何でそんなに怒ってるんですか。 日下部先輩。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |