Main ポジション確認 …てか、もしやオレ、ここにいちゃいけない存在!? 周り美形だらけなんですけど!! ………………いやいや。 モブ、必要だよね? 美形だけだと、美形の価値分からなくなっちゃうよね?? 存在意義を探し、悶々しているオレは置いといて、場の空気は緊迫してきた。 「…おいで。あんまり出歩くと、また具合悪くなるよ。」 「………はい。」 爽やかな笑みな青年に、何故か表情を強ばらせ、青い顔で小さく頷く撫子さん。 「…尚久。」 しずかちゃんは、低い声で呟く。 諫めるような、牽制するような、堅い声で。 …尚久さん、って事は、 この人が、しずかちゃんのお兄さん? で、同時に撫子さんの婚約者か。 「…やぁ、静。」 撫子さんの手をとりながら、一拍置いて、しずかちゃんにも笑顔を向ける尚久さんに、オレは小さな違和感を覚えた。 しずかちゃんのお母さんのように、露骨ではない。 だが、その硬質な声音は、兄弟に向けるような親しさが、まるで無くて、 オレはもやっとした違和感を拭えずにいた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |