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重い言葉


「…父上、その話は、このような場でするものではありません!」


少し声を荒げたしずかちゃんに、オレは視線を向ける。


互いに気をとられていたオレも、多分日下部先輩も、話の流れを聞いていなかった。


突然緊迫した空気に、目を瞠らざるを得ない。


「…分かっている。本来ならば、このような見苦しい事態を、お客様にお見せするべきではないと。…だがな、静。私には時間が無い。それに二人きりで話をしようとしても、お前は逃げるだろう。」

「…っ、」


お父さんの言葉にしずかちゃんは、苦虫を噛み潰したかのように、顔を歪める。


「…お前が、私や家を嫌い、憎むのは、分かる。…だがもし、少しでもお前が、まだ華道に興味を持ってくれているのなら、」

「父上っ…!!」


もうそれ以上は言うな、と言わんばかりに、しずかちゃんは呼ぶが、お父さんは、止めなかった。


まるで、オレ達を証人として巻き込むつもりかのように、


重い言葉を、告げる。




「…この家を、継いでくれまいか、静。」


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