[携帯モード] [URL送信]

Main
3


「あいつら来るんなら、せいぜい派手に歓迎してやろうよ、ボス。」


月明かりで僅かに照らされた男は、色までは分からないが、緩く波打つ髪を無造作にセットした、爽やか系のイケメンだった。

子供みたいな無邪気な口調で、残忍な笑みを浮かべる。

いや、中身はまんま子供なのかもしれない。
笑いながら、蝶の羽をむしるような、子供特有の残虐さが見え隠れする。



てか、あいつらって…?


「御門 暁良のテリトリーに乗り込んでくるんだよ?それなりの対応してあげなきゃー。」




「…興味ねぇ。」

!?


ドクリ、と鼓動が跳ねた。
肌が一瞬であわ立つ。


「…テメェが出ると、面倒になる。あいつらのどっちかに行かせろ。」


低い美声が、大して興味なさそうに、淡々と命じる。
それに対してもう一人が不満げに『えー』と溢すが、オレは、そんなやり取りはもう耳に入っていなかった。



ドクドクと鳴る鼓動が、煩い。
呼吸も満足に出来ない。


それでも、無意識にゆっくりと後退った。





逃げろ。


本能が命ずる。



一度聞いたら忘れようもない、この声、は。






アイツ、だ―――。



















「……で?いつまで聞いてんだ?……そこの鼠。」
「っ!!」


オレは、弾かれたように駆け出した。


.

[*前へ][次へ#]

37/79ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!