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「あいつら来るんなら、せいぜい派手に歓迎してやろうよ、ボス。」
月明かりで僅かに照らされた男は、色までは分からないが、緩く波打つ髪を無造作にセットした、爽やか系のイケメンだった。
子供みたいな無邪気な口調で、残忍な笑みを浮かべる。
いや、中身はまんま子供なのかもしれない。
笑いながら、蝶の羽をむしるような、子供特有の残虐さが見え隠れする。
てか、あいつらって…?
「御門 暁良のテリトリーに乗り込んでくるんだよ?それなりの対応してあげなきゃー。」
「…興味ねぇ。」
!?
ドクリ、と鼓動が跳ねた。
肌が一瞬であわ立つ。
「…テメェが出ると、面倒になる。あいつらのどっちかに行かせろ。」
低い美声が、大して興味なさそうに、淡々と命じる。
それに対してもう一人が不満げに『えー』と溢すが、オレは、そんなやり取りはもう耳に入っていなかった。
ドクドクと鳴る鼓動が、煩い。
呼吸も満足に出来ない。
それでも、無意識にゆっくりと後退った。
逃げろ。
本能が命ずる。
一度聞いたら忘れようもない、この声、は。
アイツ、だ―――。
「……で?いつまで聞いてんだ?……そこの鼠。」
「っ!!」
オレは、弾かれたように駆け出した。
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