[携帯モード] [URL送信]

Main
4


オレが暗い顔で立ち上がり、出入口へ向かう途中、クラスメイトは申し合わせたかのように、皆で敬礼して見送ってくれた。


誰かが哀しげなハミングまでつけて、さながらオレは戦地へ赴く特攻兵のよう。


「…斎藤一等兵…君の雄姿は忘れないよ。」

「お国の為に…てかオレらの為に、潔く散って来い…!!」


…もうこのクラスノリが良すぎて大好き!!(殺意)

てか本音ダダ洩れてんぞ牧田ーー!!


「…故郷の妻と子供に伝えてくれるか。父さんは星になったと…!!」

「…斎藤二等兵…。確かに伝えよう…!!お父さんはクラスの英雄だと!!」


オレがヤケ気味に小芝居に乗ると、クラス委員の羽生が悪ノリしてきた。

てか何げにオレの階級下げてんですけど羽生!!


心暖まる(?)オレらの戯れ合いを、うろんな目で眺めていた西崎は、『阿呆らし』と言いたげに嘆息し、机の中から取り出した分厚い本を読み出す。


それを横目に見、そろそろ覚悟決めて行くか、とオレは再び歩き出す。


変な方向にテンションが上がってしまったクラスメイトらは、何故か万歳三唱にてオレを送り出してくれた。


一歩外に出ると、他のクラスの奴らが、何事かとウチのクラス及び、出てきたオレを凝視している。


………恥ずかしっ!!!


.

[*前へ][次へ#]

29/118ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!