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オレが暗い顔で立ち上がり、出入口へ向かう途中、クラスメイトは申し合わせたかのように、皆で敬礼して見送ってくれた。
誰かが哀しげなハミングまでつけて、さながらオレは戦地へ赴く特攻兵のよう。
「…斎藤一等兵…君の雄姿は忘れないよ。」
「お国の為に…てかオレらの為に、潔く散って来い…!!」
…もうこのクラスノリが良すぎて大好き!!(殺意)
てか本音ダダ洩れてんぞ牧田ーー!!
「…故郷の妻と子供に伝えてくれるか。父さんは星になったと…!!」
「…斎藤二等兵…。確かに伝えよう…!!お父さんはクラスの英雄だと!!」
オレがヤケ気味に小芝居に乗ると、クラス委員の羽生が悪ノリしてきた。
てか何げにオレの階級下げてんですけど羽生!!
心暖まる(?)オレらの戯れ合いを、うろんな目で眺めていた西崎は、『阿呆らし』と言いたげに嘆息し、机の中から取り出した分厚い本を読み出す。
それを横目に見、そろそろ覚悟決めて行くか、とオレは再び歩き出す。
変な方向にテンションが上がってしまったクラスメイトらは、何故か万歳三唱にてオレを送り出してくれた。
一歩外に出ると、他のクラスの奴らが、何事かとウチのクラス及び、出てきたオレを凝視している。
………恥ずかしっ!!!
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