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…パン、
センセが教科書を閉じた音に、皆、ビクリと体を震わせた。
「…時間だな。」
そう呟くと、センセは、黒板の前で固まる田坂を一瞥する。
「次ん時までに解いておけ。」
「は、はいっ!」
漸く解放された田坂は、安堵の余りふらつきつつも、自分の席へと戻った。
「日直、号令。」
「っ…はいっ!きりーつ!!」
言われた日直は、弾かれたように立ち上がり、軍隊ばりのでかい声で号令をかける。
号令に従い起立する生徒らも、まるで統率のとれた軍隊の如くきびきびとし、美しい直立だ。
礼に至っては、見事な90度。
あ、田坂が間違って敬礼してる。
…どんだけテンパってるんだよ。
漸く、神経をすり減らす緊張の時間を終え、皆が安堵の息をはいた時、出口付近で足を止めたセンセは、肩越しに振り返る。
「…そういや、課題忘れたな。……数学係の斎藤。一緒に来てくれるか。」
「「「………………。」」」
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