[携帯モード] [URL送信]

Main
2


…パン、


センセが教科書を閉じた音に、皆、ビクリと体を震わせた。


「…時間だな。」


そう呟くと、センセは、黒板の前で固まる田坂を一瞥する。


「次ん時までに解いておけ。」

「は、はいっ!」


漸く解放された田坂は、安堵の余りふらつきつつも、自分の席へと戻った。


「日直、号令。」


「っ…はいっ!きりーつ!!」


言われた日直は、弾かれたように立ち上がり、軍隊ばりのでかい声で号令をかける。


号令に従い起立する生徒らも、まるで統率のとれた軍隊の如くきびきびとし、美しい直立だ。


礼に至っては、見事な90度。
あ、田坂が間違って敬礼してる。

…どんだけテンパってるんだよ。


漸く、神経をすり減らす緊張の時間を終え、皆が安堵の息をはいた時、出口付近で足を止めたセンセは、肩越しに振り返る。


「…そういや、課題忘れたな。……数学係の斎藤。一緒に来てくれるか。」


「「「………………。」」」


.

[*前へ][次へ#]

27/118ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!