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※第三者視点。
「……………。」
田坂は後ろから見ても分かる位、空回っている。
微動だにせずに脂汗をかきながら、それでもチョークを握り締めている姿には感銘さえ受けた。
お前の雄姿は忘れない。
…忘れないから、早く問題を解け田坂。
担任の冷たい視線に加え、、背後からのクラスメイトの無言のプレッシャー。
田坂は限界だった。
「………………あの、」
「…何だ。」
ビクビクと怯えつつも、田坂は覚悟を決め、担任を見る。
「………………わ、わかりませ」
「今教えた問題と同じモンだぞ。」
「デスヨネー!!」
言われて皆、ノートを見た。
確かに数値を変えただけだ。
でも如何にして完璧に洩れなく書き写すかに必死になっていた為、解き方なんて頭に入ってない。
皆、コピー機の如く無心だった。
頑張れ田坂。
負けるな田坂。
お前凄い奴だよオレ知ってる!!
だから分からねぇとか匙投げてオレに回すんじゃねぇぞゴラァ。
…本日の教室のシンクロ率は、某初号機も超えたと思われる。
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