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※第三者視点。


「……………21番、田坂。」


「…っ、ひゃいっ!!」


突然、凍てつく低い声で呼ばれ、田坂は、椅子をひっくり返すような勢いで立ち上がった。


てか、テンパりすぎて声が裏返っているとか、誰も突っ込まなかった。


…ソレを笑えるような勇者は、今この教室内にはいない。



――コン、

「…解け。」


黒板をノックするように指の背で指し、桐生は端的に言い捨てる。


「……は、はい。」


青い顔した田坂は、慌てて前へ向かう。


チョークを持ち黒板に向かいながら、田坂はフリーズしている。
若干いつもより問題が難しいのは、気のせいでは無いらしい。


…頑張れ田坂!!
お前はやれば出来る子だよオレ知ってる!!


…またも教室内の心は一つだった。


お前等が、一体田坂の何を知っているというんだ。


そう突っ込む者もいないまま、田坂だけが過剰な期待を背負わされる無情な時間が過ぎていった。


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