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オレに出来る事


ああ、
こうやってこの人は、


オレを見守っていてくれたんだ。


推測は、確信へと変わる。



それと共に、強烈に己への苛立ちが募る。


また、この人に頼るのか。


巻き込んで、こんな怪我までさせて、



それでも尚、オレの盾となろうとしてくれるこの人に、


まだ甘える気か――?


「…っ!」


ギリ、と奥歯を噛み締めた。


―――答えは、否だ。



兄貴分だから、なんて理由になるか。


「……青さん、」


「…どした?」


青さんは、俯いたオレを案じ、覗き込んだ。

声にも、心配するような、優しい響きがある。



――オレは、弱くて、周りに迷惑かけてるし、心配もかけまくりだけど、


それでも、


今、貴方を護る位なら、出来るよ。



「………。」


ぐい、と青さんにしがみつくように、抱き付いた。



「…陰?」


青さんは、戸惑ったようにオレを見た。


近くにいた陽から、殺気が立ち上るのに、場違いにも苦笑しながら、オレは拳を握りこんだ。


ドスッ――
「…っ!?」


青さんの鳩尾に、拳を付き入れた。


青さんは目を瞠り、次いで柳眉をひそめ、瞳を閉じた。


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あきゅろす。
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