[携帯モード] [URL送信]

Main
葛藤


バタンッ


少々乱暴な仕草で後ろ手に扉を閉め、オレは早足で廊下を進む。


気が逸る。


二人に手を出すな、と釘はさしたが、…電話越しに聞こえた物音と、状況を考えると、どちらかは怪我をしていそうだ。


「………、」


携帯を開きかけて、躊躇う。


西崎と武藤に、連絡をとるかどうかで、さっきからずっと悩んでいる。


…きっと、とるのが、正解。


事態は、オレ1人で何とか出来る範疇では無い。


連絡とって、一緒に来てもらうなり、怪我の手当てにあたってもらうなり、した方が利口だって分かってる。



……でも、




「…………。」


パチン


無言のまま、携帯を閉じる。



オレは、ポケットに折りたたんだ携帯を、つっこんだ。



でも、巻き込みたく無い。


これ以上、オレは、オレと陽のゴタゴタに、


大切な人たちを、巻き込みたく無いんだ。


怪我させたく無い。
悲しい顔させるのも嫌だ。


エゴだろうと何だろうと、


オレだって守りたいんだよ、

皆を。


.

[*前へ][次へ#]

37/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!