Main 13* ※清水視点です。 「………で、でもっ」 「でもじゃねえ、…足手纏いだ。」 少年の言葉を遮り、言い放つと、少年は息をのんだ。 冷たいようだが、今の状況を見るに、誰かを守りつつ戦える余裕が無い。 少年は一瞬迷うように俯いたが、すぐに決意をした目で立ち上がった。 それでいい。 「行かせると思います?」 「っ、」 陽は素早い身のこなしで近づき、少年に手を伸ばす。 咄嗟に二人の間に割り込み、陽の手を掴みあげると、陽はニヤリと笑い、逆にオレの手を強く握ってきた。 「…ぐっ!!」 ナイフでつけられた深い傷口に、ギリ、と爪をたてられた。 焼け付くような、鮮烈な痛みが走る。 新たな血が溢れ、オレの腕をつたい、カーペットに赤黒い染みが増えた。 痛みに気をとられた一瞬の隙に、思いっきり膝蹴りが腹に食い込んだ。 「っ…!!」 カラカラ…カツン 衝撃で、ポケットに突っ込んだままだった携帯が飛ぶ。 壁にぶつかって止まったソレに、少年が手をのばす。 ブブ…と振動している携帯に、オレは嫌な予感がした。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |