Main 10* ※清水視点です。 「………。」 無言で立ち上がった陽は、痛みも感じていないように、ニヤリと不気味に笑った。 だが、そんなモンどうでもいい。 コイツが痛みに鈍かろうと、そうでなかろうと、最早どっちでもいいんだよ。 陰が許そうと 総長が許そうと 他の誰が許そうとも、 オレは許さねぇ。 陽が振り上げた拳を掴み、そのまま強く引き、膝で奴の腹を蹴りあげた。 バッ…ドスッ!! 「グッ…!!」 うめき声を無視し、髪を引っ掴んで顔を上げさせる。 「…簡単に気ぃ失うんじゃねーぞ。」 無表情のまま、低く吐き捨てる。 「アイツの意志を尊重して、今まで口出さなかったが、もう限界だ。…テメェが陰に付けた傷、まんま返してやるよ。」 ドカッ!! 「つっ…!!」 掴んでいた髪を離し、奴の体を後ろに蹴り倒した。 ソファーに背を打ち付け、陽は短く呻く。 「…アイツを大切に思っているのが、総長だけだと思ったら大間違いだ。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |