Main 3 ※清水視点です。 直ぐに戻ってきたメールに、オレは、瞳を細め、苦笑めいた笑みを浮かべた。 From :斎藤 Subject:Re2.知ってます。 ――――――――――――――― 了解!! ―――――――END―――――― 「…馬ぁ鹿。」 自分にもその言葉を言いたい気分になりつつも、携帯を閉じた。 再び携帯をポケットに突っ込んで、目的地に向かって歩きだす。 目的地は、行きたくも無い、可愛くない後輩の部屋。 編入を許す条件の一つとして提示された、月一回の自宅への近況報告。 オレがせっつかなくても良さそうなものだが、容姿を裏切り適当なアイツは、また放置している可能性が高い。 ……つか、あの馬鹿は部屋にいんのかね。 馬鹿って言っても、今迄メールしていた、可愛い馬鹿では無い。 正真正銘、頭の中身がイカレきった、馬鹿だ。 成績の事に関しては、アイツは文句無く優秀だ。 だが、人間としては、完璧な欠陥品。 元々、排他的な奴だったが、陰に入れ込んでからのアイツは、異常としかいいようが無い。 子供が、初めて手に入れた宝物を守るように、 懸命で、執拗で、 重い、愛情。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |