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6
オレが乗っているから、と青さんは、一人で行こうとしたが、オレは無理を言って一緒に連れてきてもらった。
青さんが強いのは知ってるけど、どのくらい敵がいるかも分からないし、何だったらオレは邪魔にならないように隠れてるし。
緊張しつつも、玄武さんの後ろにつかまりながら、港の灯りを見ていた。
埠頭付近の倉庫が立ち並ぶ場所へと、バイクは走る。
暗闇の中、目を凝らすオレの視界の先に、いくつものバイクのライトがうつった。
「…あそこ…!」
後ろで声をあげると、玄武さんも気付いたようで、頷いてくれた。
「……?」
だが、様子がおかしい。
十台以上はあるバイクには、遠目にも、人が乗っているようには見えない。
しかも、まちまちの高さの光の位置から察するに、倒れているものも多いんじゃないだろうか。
「………!」
ギュイ、と青さんはハンドルを切り、急停止する。
一拍置いて、玄武さんもバイクを止めた。
「……っ!」
目が闇に慣れるにつれ、だんだんと見えてくる光景に、
―――オレは思わず、息を飲んだ。
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