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「…ああ、噂をしていたら、来たな。」
白さんはそう言うと、入ってきた人に、軽く手を振る。
「…紹介したい子がいる。おいで、陽。」
「……はぁ。」
気の無い返事をしながら、呼ばれた人は、此方へと近付いて来た。
……おぉ。
内心でオレは、驚きの声をあげた。
その人はまるで、白さんと揃えで造られた、対の人形のように、綺麗な少年だった。
光を受け、天使の輪をつくるプラチナブロンドや、長い睫毛に飾られた、宝石みたいな翠緑の瞳。
整いすぎた美貌は、さながら宗教画から抜け出した天使そのものだ。
白さんと並ぶと、ますます現実感が無くなる。
…オレ、同じ空間にいていいんでしょーか?
「お前と対の席に着いた子だ。《陰》という。」
白さんがオレを紹介してくれるが、その人は、何というか………
ぶっちゃけ、ものっそ興味が無さそうだ。
目線が、既にオレを通り過ぎている。
……後ろに、何か興味をひくものでもありましたかー?
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