Main 3 「…そうそう。そんな感じで掻き混ぜて?」 「…ああ。」 白和えを作りながら、西崎を覗き込むと、多少ぎこちないものの、初めてにしては上出来な様子で米をといでいる。 「……うん。そろそろいいかな。一回、お水捨てて?」 「分かった。」 普段の西崎からは考えられない位素直な様子に、可愛いなー、なんて怒られそうな事を考えつつ、炊飯器にいれ、カップで水をメモリまで入れる。 スイッチを入れ、西崎を振り返ると、ふぅ、とため息をついていた。 「味噌汁の具は、何がいい?」 「…豆腐と油揚げ。」 「りょーかい。」 ちゃんと要望を言ってくれる西崎に、嬉しくて笑うと、突然後ろから、ニュッと手が伸びてきた。 「ぎゃ!?」 「…何、新婚ごっこしてやがんだ?」 …自由人のお目覚めです。 「ご飯今つくってるから、顔でも洗ってきてくださいな。アナタ。」 「……オレの要望は聞かねぇのか。」 ムス、と不機嫌そうな顔。 お母さんとられた子供か。お前は。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |