Main 2 「…そっか。オレの手料理、そういえばハルちゃんに食べてもらった事なかったね。」 そういえば昼も、いつも、パンばっかり食べてたイメージがある。 「…よし!ハルちゃん、和食と洋食、どっちが好き?」 「………和食。」 西崎は、戸惑いつつも答えてくれた。 「オッケー!今日はオレが、おかん級の腕前をお見せしましょう。」 腕まくりをするオレに、西崎は目を丸くし、次いで笑った。 「……気持ちは嬉しいが、怪我。」 「………あ。」 そういえば、オレ、左手挫いてた。 もうそんなに痛くないから、忘れかけてた。 「うーん…。」 …痛くないから、ちょっとした作業は出来ると思うんだけど。 右利きだし。 米とぎとかがなぁ…。 「あ。」 「?」 いい事思い付いた! 「ハルちゃん、一緒にやろう!」 「……は?」 オレの発言に、西崎はキョトーンだ。 暫くして、理解した西崎は、更に戸惑ったような顔をした。 「……オレは、料理なんてした事が無いぞ?」 「だから、一緒にやろう、って言ってるんじゃん。」 誰だって、初めから完璧に出来る奴なんていない。 オレだって、何度弟と母を病院送りにしかけたか。(笑) …でも、文句いわずに食べてくれる人がいると、いつの間にか上達するんだよなぁ。 次こそは、美味いもの食わせてやる!って。 笑いかけるオレに、西崎は降参とばかりに、両手をあげた。 「…どうなっても、知らんからな。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |