Main 3 「………あれ?」 「…何だ?」 唐突に声をあげたオレに、西崎は僅かに目を瞠る。 そういえば… 「武藤は?」 「…横。」 「は?」 何か、前に似たようなやりとりがあった気がするけど、それはいいとして… 横? 「うぉっ!?」 言われた通り、横を見たオレは、驚きに変な声を出す。 だって凄い間近に、武藤の綺麗な顔が!! 「寝こけたお前をベッドまで運んで、そのまま、勝手に潜り込んでいたぞ。」 …まぁ、自由人な武藤の行動としては、予想の範疇内だ。 寧ろ、運んでくれてありがとう!みたいな。 「…ハルちゃんは、どうしたの?」 ギシリと、ベッドに手をついて、体を起こしながら、西崎を見る。 「オレはリビングのソファーで。…勝手に、その辺にあったブランケット借りた。」 「それは全然良いけど…風邪ひかなかった?」 空調きいているとはいえ、それだけじゃ寒いんじゃないか? 「平気だ。」 「本当に?……今、暖かいもの用意するから、ちょっと待って。」 「おい…」 オレはベッドを降りて、足早に出てゆく。 部屋から、西崎のため息が聞こえたが、オレは気にしないでキッチンへ向かう。 だから、オレがいなくなった後、目を開けた武藤と西崎が、『相変わらずだな』なんて笑っていた事は、オレは知らなかった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |