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「……陰。」


真顔になった玄武さんは、静かにオレを呼んだ。


「……はい。」


ゴクリ、と息を呑む。




「…志藤は、《ケルベロス》の副総長だ。」





「………へ?」


玄武さんの言葉に、オレは一拍置いて、間抜けな声をだしてしまった。


……え?


…………えぇ?


何?何だって??


しずかちゃんが、副総長?


「……アレ?……しずかちゃんが?…何で?………だって、うちの副会長が、《ケルベロス》の副総長だって…。」


パニくる頭で、オレは必死に言葉を紡ぐ。


そう。そうだ。
西崎がそう言ってた。


「……だから、志藤は、《ケルベロス》の副総長で、同時にこの学校の副会長だ。」


混乱するオレに、玄武さんは、諭すように、オレに言い聞かせる。

…至極最もだ。


そう言われたら反論出来ない。


何で二人が喧嘩してたのかも、納得出来る。

敵対関係なんだから、当然といえば当然。



…でも、感情はついてけていない。


しずかちゃんはオレにとって、優しくって、格好良くって、時々可愛い、先輩で友達だ。


それが全てでない事は理解してる。
でも、それが嘘でない事も、オレは知ってる。


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