Main 神がかったオレ。 「…分かってるもん、社交辞令くらい。分かってても褒めてもらいたいのが、男ゴコロってモンよ!?」 小芝居調に西崎に主張してみる。 だが、そんなオレを見て西崎は、一生分かと問いたくなるような、深ーいため息をついた。 「ウザイ。」 「酷っ!!…ハる……、西崎の馬鹿ぁっ!!」 小芝居調が抜けないオレは、そのまま悲劇のヒロイン…ていうか浮気夫を詰る昼ドラの妻みたいに、退場してみた。 駆け出して、後ろの扉を開けながら、何処にパンを買いに行こうかと模索するオレ。 突発的行動だった。 …だが、だからこそ断言出来る。 …あの時のオレは、神様的な何かが憑いていた、と。 ガラッ オレが廊下へ飛び出した瞬間、前の扉も開かれた…らしい。 見てなかったから、なんとも言えないけど。 カラクリ屋敷のどんでん返しみたいだったに違いない。 廊下へ飛び出したオレと、廊下にいた青さんの目が合う。 青さんは、見た事ないくらい、目を見開いていた。 青さんの前にいて、今、オレの教室に入っていったプラチナブロンドの後ろ姿を見て、オレは青さんの驚愕の理由を知る。 …何たる、奇跡的タイミング。 冷静さを取り戻した青さんは、軽い手振りで、オレを追い払う。 オレも、後ろを振り返らずに、一直線に、階段を駆け上がった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |