Main 3 「弟さん?」 「弟3人に妹2人。」 「…大家族っすね。」 青さん入れて6人兄弟って、今時珍しいよね。 でも、賑やかそうで羨ましい。 「毎日煩ぇぞ。喧嘩ばっかしやがるし。」 そう言う青さんの声は、言葉と違い、とても優しかった。 可愛がってるのが、よく分かる。 「…いいなぁ。」 ボソリ、と呟くと、青さんは手を止めた。 ふ、と笑う気配がして、髪を軽く撫でられる。 「お前は?いねぇの?兄弟。」 「……………。」 ―――オレは、直ぐに答えられなかった。 詰めてしまった息を、ゆっくりと吐き出して、オレは何も無かったように笑う。 「……いますよ。弟が、一人。」 「……そっか。」 オレの様子に気付きながらも、青さんはそれ以上は突っ込もうとせずに、短く返してくれた。 そんな優しい青さんに甘えて、オレもそれ以上何も言わない。 …オレはまだ、弱いから。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |