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紅い闇の使者
01



ザーーーーー


雨は止まることを知らないように降り続く






俺はスクアーロと二人で一つの傘に入ってヴァリアー邸へ向かっていた



…いわゆる相合傘という格好だ







まぁ、俺は既に雨で上から下までベチャベチャになっているので意味はないのだが、そこはやはり英国紳士だけある






「なぁ、スクアーロ」




「どうしたぁぁ?」




「俺を殺さないのか?」





俺がこいつと会った、さっきから疑問に思っていたことを口にしてみた







…俺は昨日、本気で殺そうとした




そんな奴にこんなに優しくできるだろうか?







「そのことは忘れろぉ!!」





「…は?」




全く予想していなかった言葉に驚いた





「昨日はお互い敵同士だったからな…

でも今は仲間じゃねぇか」






「仲間…」






「だから、気にすんなぁ!


分かったかぁぁあ?」





「おぅ、分かったから、耳元で叫ぶのはやめてくれ

はっきり言って煩い」





「う"ぉぉおい!!はっきり言い過ぎだぁぁあ!!」






そんな会話をしていたらヴァリアー邸に着いてしまった








「…はっきり言って、城?だよね」






「今日からここがお前のアジトだぜぇえ!」





二カッ

そんな効果音が似合う笑顔を向けられたが、はっきり言って帰りたくなった







「…帰る」





そう言って背を向けた俺の腕をスクアーロは掴んだ






そして、そのまま俺を…俗にいう“お姫様抱っこ”…してヴァリアー邸に入って行った





(軽ッ

こんなに軽いのによくあんなに俊敏に動けるなぁ…)




「おーろーせ!!!」





ジタバタしてみたが、やはりそこは男女の力の差…





スクアーロはビクともしなかった


















スクアーロは、ヴァリアー邸のドアを蹴り開けて叫ぶ




「う"ぉぉおい!!帰ったぞぉぉお!!」





そう言って横から顔を覗かせたのは…





「おっアホロン毛隊長じゃん♪」




「おや?謹慎を受けた隊長サマじゃない」






そう言う二人…ベルフェゴールとマーモン…はまさにニヤニヤという笑顔を浮かべていた





が、その笑顔もスクアーロに抱かれている俺を見た瞬間…




固まった






「「誰?その女の子?」」





(うわー綺麗にハモったー)



そんな奴ことに軽く感動したが、俺は話さずにスクアーロの腕の中で大人しくしていた






(この場はスクアーロに任せよう…)







ベルフェゴールとマーモンは俺たちに近づいて来て、俺の顔を見た






「可愛い子だね…

スクアーロ、君とはどういう関係なんだい?」






「ししし♪ロン毛隊長の恋人ー?

それにしては可愛いすぎじゃね?」






「う"ぉぉおい!!うるせぇぞ!お前ら!」







そう言って何処かへ向ったスクアーロ
























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