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小説
タブンネ♀とチャオブー♂
皆の怪我の治療をしてくれる、医者に憧れて早2年。
トレーナーとしての腕も上がってきた。
医学の知識も増えた。
形から入りたい俺は、半年かけてタブンネを捜し出してゲットした。
これで医者を目指せるとパートナーのチャオブーと喜んだのもつかの間、俺はある問題にぶち当たった。
それは、そう。このタブンネが……

「名無しくーん〜あっそぼ〜!あははは!変な顔ー!!」
「タブンネ!!!また酒飲んだだろぉぉぉぉ!!!!?」

このタブンネが重度のアルコール中毒で、なおかつ絡み酒、笑い上戸と言うコンボを所持していることである。
俺の絶叫むなしく、どう見ても未成年なタブンネが酒瓶を4〜6本空にしているなんてむなしいもんじゃない。
チャオブーと一緒に稼いだ金はほぼ、このタブンネの酒に消える。
どうやって買っているんだとかは知らない。けど間違いなくこのタブンネは医者のパートナーに向かない。
患者の治療中に酒だなんて殴られても文句は言えない。

「名無し。もう諦めよう。僕等ならリーグでもいい線行くよ」
「頼むからチャオブー。医者を諦めろと言わないでくれ。俺はなりたいんだよ医者に!!!!」
「いしゃにぃ!きゃはははははは!名無しくん!最高だよ!!」
「お前は何本空けてるんだ!!いい加減にしろ!!!」

ビールに焼酎、ウイスキーにワイン。
酒なら何でもいいと言わんばかりに飲む。
飲みまくって道路で寝ているなんてざらだ。
そのたびにジュンサーさんに叱られる俺(15歳)。
泥酔状態のタブンネを叱りつけても意味がなく、チャオブーに愚痴を聞いてもらっても、チャオブーにストレスがたまる。そうなると、健康状態にも異常をきたす。
それを防ぐには俺がストレスをためるわけで、この年ではげを気にしているのは俺ぐらいじゃないだろうか。

「っっ!!!!タブンネさん!?なんで服脱いでるの!!!?」
「きゃははははは!あつーい!チャオブー君赤いよー?あ、もともとかぁ!きゃははははは!!!」
「名無し!助けて!?裸になりそうなんだけど!!!!?」
「タブンネェェェェェェェェェ!!!!!!」

訂正。言っても言わなくてもストレスかわんねぇやこれ。
俺のチャオブーは性的知識はあっても経験は全くない。
よく大人のおねぇさんに絡まれるタイプだ。
その間逆を行くタブンネはむしろ子供を襲いに行くタイプだ。
いいわけではないけれど、酒が入らなければ清楚可憐である。
ゲットした時は「名無しさん」と呼んでくれていたけど、酒が入れば「やっほ〜名無し君!」だの「お楽しみ!?やるねー!名無し!」だの統一性が全くない。さらに、勉強中も絡んでくる。チャオブーに至ってはもはやセクハラの域を軽く超える。訴えたら勝てるぞチャオブー。
熱いと言って服を脱いでいたタブンネを必死で抑えつけているチャオブーに涙があふれ出る。
片や爆笑。片や涙目。
他のポケモンを出した場合、抑えれる自信がない。

「きゃぁ!お そ わ れ る 〜 !きゃはははははは!!!」
「そんなに嬉しそうに襲われてるやつがいるか!!!!」
「名無しってば怖いよー?陣痛?」
「俺男!!!!服を脱ぐな馬鹿!!!」

この状況を全く理解していないタブンネはまた一本瓶を空にした。
対して強くもないのに、その勢いで飲むな。
明日は間違いなく二日酔いだぞ。

「チャオブー!ここは俺が抑えとくから、二日酔いに聞く薬草を探してきてくれ!!」
「わ、分かった、名無し、無事でいてね!」
「死亡フラグ立ててんじゃねぇよ!!!!!」

忠実に俺の命令をこなすチャオブー。しかし行動をするごとに死亡フラグを立てていくのはやめて頂きたい。いつかほんとに俺死ぬぞ。そうなった時に大丈夫なのかと言いたい。
そもそも心配するところが可笑しい。
タブンネが俺にかける迷惑と言ったら……

「名無し君!」
「あぁ!?」
「優しくしてね!」
「一回モンスターボールに戻ろうか」

これだ。
無駄に色気を出しつつ俺から手を出すのを待つ。
まさにこれだ。
チャオブーの場合襲いそうになりながら言うけどな。
いくら言っても無駄だから問答無用でモンスターボールに戻す。
その直前に「苛めちゃいやぁぁぁぁぁ!」などと言う妄言が聞こえてきたが無視だ。

「はぁ……俺はいつになったら医者になれるんだ……」

どこか遠くで絶対に無理だと聞こえたのは気のせいだろう。


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あきゅろす。
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