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小説
エーフィ♂
僕は、自分が可愛いのを知っている。
はっきり言ってそこら辺の女の子よりもはるかに可愛いのを知っている。
だから馬鹿どもが近づいてくるのも知っているんだ。
ま、蹴散らすけど。
サイコキネシスで、余裕だからね。
紫色の髪を肩までで揃えて、紫色の目が映えるようにメイクをして貰っているんだ。
可愛いのは当然。僕の素体の良さは、名無しの努力故。
愛されてるんだよお前らゴミどもと違ってね。
なんたってイーブイの時からずっと丁寧なブラッシングをして貰って、マッサージをして貰ってきた僕に手入れをされていないお前らが近づいていい理由なんてない。微塵もない。
行き荒く近づいてきたゴミどもをいつものように叩きのめして、街を歩く。
目的は、切れたマッサージオイルを買いに行くこと。
それプラス、私用の香油を買う事。
だから、邪魔をされるのは腹立たしい。
もともと僕はかなり気が短いのだから。邪魔をするな。
名無しがマッサージオイルを切らしたと泣きそうな顔で言ってきたから、僕が仕方なく買いに来ているんだから。
後で名無しには可愛く泣いてもらおうと決めている。そのため買いに行く足は自然と早い。
デパートで目的のものを買って、デパートを出れば、後はまっすぐ帰るだけだったのに。
いちゃつく人間たちを見て、嫉妬に駆られた。
男同士だけど、僕と名無し以上の絆もなくて上辺だけの、その場だけ同士で好きだとか、愛してるとか、馬鹿じゃないのかと笑いたかった。
それをすると名無しの品位にかかわるからしないけど。ある女が言う。好きだと、だからあれが欲しいと。
愛しているならくれるでしょう?馬鹿らしい。
何かが欲しくて囁くなら、自分のポケモンにすればいい。
物欲のための愛なんて僕は認めない。
トレーナーである名無し以外認めないけどね。
機嫌が急降下していくのが分かったけど、原型で戻るには危険すぎる。
珍しいポケモンと言われる僕に近づく馬鹿はやっぱり多いから。
名無しとの約束だから、原型には戻らない。
擬人化状態でお使いを終わらせる。
腹立たしい光景をしり目に早足で帰る。
家に戻ったらブラッシングをして貰って、マッサージをしてもらう。その後、名無しお手製のご飯を食べて、しっかり名無しに甘やかしてもらうんだ。
急ぎ足で走って帰ってきた僕は、玄関を思いっきり開けて、リビングでデスクワークをしていた名無しに全力で抱き着いた。

「うわぁ!?」
「たっだいまー名無し!僕が帰って来たんだからお仕事辞めてよね?」
「お、お帰りエーフィ。いきなりびっくりしたよ」
「びっくりさせるために走って来た甲斐があったな。ブラッシングして?名無し?それとも僕がマッサージしてあげようか?」

咄嗟のことだったからか、顔を赤くして僕にお帰りと言ってくれる名無しが可愛くて、そのまま泣かせたいと思ったけど自重。
盗み見たパソコンにはまだまだ終わりそうにないレポートがあったから。
悪戯の意味も込めて、聞いた僕の意味を正しく理解してくれたらしく名無しの顔はさらに赤くなっている。
これ両想いってやつだよね。

「れ、レポートが終わってから、ならいいよ……」
「約束だからね?名無し、あと視線合わせてもう一回言って」
「無理!これ以上は無理!」
「ダメ?」
「だって、恥ずかしい、から……!」

テレている名無しに欲情したが、やっぱり自重。
レポートが終わった後、体力がなくなるまで構ってもらうことにして、僕は笑顔のまま名無しにキスをした。
名無しはピクリと体を震わせて、椅子に座っているため自然と上目遣いになって、僕を見た。
その様子もまた可愛いけど、今はちゃんと我慢するんだ。

「じゃあ、レポートが終わるまで名無しのご飯作ってるね?何がいい?」
「……消化に良くて食べやすいものでお願いしていいかな?」
「うん、分かった!軽ーく作って来るね」
「うん、ありがとうエーフィ」
「任せてよ名無し」

作るのはパスタにしよう。
彩も考えて、また名無しが笑ってくれるように。
僕は名無しが好き。
泣いているのも好きだけど、やっぱりね、笑っている顔も好きなんだ。
愛は重いから大切なんだよ。
それをよく考えて、僕たちは行動してきたんだから。
名無しにとって、僕が一番であればいいな。

お粗末様。

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