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Love×With
ゲームの準備





わけわかんねーよ!!



駅って確かこっち方面だよな、もう今は一刻もはやく家に帰りたい・・・!


俺は、オレンジ色に染まりつつある小道を急ぎ足で進んでいった。



なんでこうなってしまったのか、自問自答してみるが全く答えが出そうにない。


とにかく一回落ち着いて考えよう、頭の中を一旦整理しよう、そう思った俺は、さっきの出来事をゆっくりと思いだしてみた。





******





「うわっなんだこれ・・・」





家までの帰り道、いきなり黒ずくめの男が現れ、強引に黒くておっきい車に連れ込まされた為身柄を引き取りにでも来たのかとびくびくしながら縮こまっていると、なんと着いたのは、あの世界でも有名な・・・大企業(名前なんだっけ)の本社だった。




どうやら俺はこの会社の社長に呼び出されたらしく、数人のガードマンと一緒に社内に入ることに。




中に入り次々と目に入る豪華な装飾品。


シャンデリアやらレッドカーペットやら・・・、これが社内にある事自体凄すぎる。



もしかしてこんな平々凡々の学生の俺に、なんかの特殊能力でも発見して、そんで俺をスカウトするため呼んだのかな!?





そんな感じで、あり得ない程のプラス思考をしていると、数人のゴツいガードマンたちがある一室の前で動きを止めた。





「こちらが、社長室でございます。中で待っていらっしゃいますので、お入り下さい。それでは、私共は入ってくるなというご命令なので失礼します」




そこまで早口で説明し終えると、足早に去っていってしまった。



ガードマンのよそよそしさに、これから待ち望む社長とやらに少し恐怖を抱く。



しかし、この時の俺は恐怖よりわくわく感の方が高かったらしい。




入った直後、わけのわからない事が起きるというのに、俺は何も考えず社長室に入ってしまったのだ、俺のバカ・・・!!





「失礼しまーす。えっと、おれ・・・じゃなかった僕は、奈都村友希です。はじめまして・・・」

「そんな畏(かしこ)まんなくていいから」





「え・・・?」




入った瞬間お辞儀をしていた俺は、あまりにも若々しい声にびっくりして思わず顔をあげる。




すると、目の前の大きな椅子にふんぞり返って座っていたのは、俺が想像していたナイスミドルなおじ様ではなく、まるでお月様のような色の髪と瞳を持った、俺の同じ年位の・・・、すげーかっこいい青年だった。





「こんにちは、友希。俺は冬哉ってんだ、よろしく」


「よ、よろしくお願いします・・・」




戸惑いがちに、差し出された手を握り返すと、そのまま急に引き寄せられ顎を持ち上げられた。
俺は冬哉を見上げる事になる訳で。





「じゃあ突然だが早速本題に行くとしよう、



俺はお前が好きだ。お前が欲しい」



「・・・はい?」





じっと俺の目を見て言った言葉は、なんと突然の告白。


少しでも油断すれば、吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳をしてる癖に、言ってる事は訳がわからないホモ野郎と瞬時に俺の脳が警告する。



そしてここでようやく、自分がすごく危ない部屋に来てしまったんだと気付いた。






「二度も言わせんな。俺は、お前が好き。ここまで呼び寄せた理由は、お前が欲しいから。わかるか?金ならいくらでもあるぜ。いくら払えばお前が買える?」



「はぁ!?」





わかるかぁ!
お金で解決しようなんざとんだお坊っちゃまなこった。
よーするに俺は物扱いかよ!



そう思うとふつふつと怒りが込み上げてきて、我慢出来なくなってしまった。



俺の顎を持ち上げていた指を払いのけ、一歩後退り、冬哉とかいう奴を精一杯睨み付ける。




しかしそいつは微笑したままでびくともしなかった。


「残念ながら、俺はお金で買える程安くないし、貴方と違ってホモセクシャルでもありません。俺とは違う人をオススメします、それでは永遠にさようなら」




そう言い終えると俺はドアを勢い良く閉め、会社からでた・・・。



********






こんな感じで今に至る訳だが、全くもって意味不明だ。
たとえあいつが同性同愛者だとしても、なぜ俺なのかさっぱりわからない!
こんなムサイ平凡男子より、アイドルの方が断然良くないか?
どのみち、金で人を買おうとしてるなら尚更だ。




もうなんかさっきのでどっと疲れた・・・、早く寝て現実逃避・・・ゴホン、落ち着かせよう。





しばらくして見えてきた自分の家を見た途端、何故か嫌な予感がして家まで走った。





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あきゅろす。
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