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Love×With
新居






俺が黙った事を良いことに、ずっと抱きついていた冬哉にもうそろそろ限界だ、いっそのことヘリから飛び降りてしまおうか、と危ない思考まで巡らせていると、ガタンと車体が急に揺れ、ヘリのドアが開いた。




ああ助かった・・・!
と外に出ると、そこにはまるで童話の中の可愛らしい家とこのヘリコプターが着々出来る程の広さの庭・・・デカっ!





これさっき冬哉が電話して急遽買い取った土地だよな?


大きくなくていいって言ってたけど・・・でかくね?

普通にでかいだろ!
金銭感覚おかしいだろ!!





「さてと、じゃあ俺らの愛の巣へと「死ねぇええ!!」




なんて鳥肌がたつような事を・・・!!
まじで一辺死んだ方がいいと思う!



お前なんか生まれ変わったら子犬かなんかになればいいんだ!


そう、せっかくの綺麗なミルクブラウンの毛を雨で濡れて・・・あぁくそっ、可愛いなバカッ!





しかしずんずんと俺の首元を掴み新居へと向かう冬哉。



俺は順調に近づいてくるどこかの童話を思い出させるようなお家に、まだ混乱していた頭が現実を見据えるよう指示を出す。



いやだァア!俺はぜってー認めないからな!思春期の2人が一つ屋根の下で暮らすなんてお父さん認めませんっ!!
・・・ってあれ?俺お父さん?




「いっ・・・いやだァアア!!」




遂に発狂してしまった俺は、本能で必死に逃げようと手足をジタバタするが首元を掴まれ走ろうとしてもただ首がしまるだけだった。




それでもパニックをおこしたまま暴れ続ける俺に、冬哉はイラッときたのか、ちっと舌打ちをし、掴んでいた首元めがけチョップをくらわせる。




と、同時に、俺はゆっくりと意識が消えていったのであった。







*********




「んっ・・・」



首元に痛みを感じ、ゆっくりと目を開けると、視界に写ったのは見知らぬ天井。



まだはっきりとしない思考の中で、布団とはまた違った温もりを感じ、反射的に擦り寄る。


すると頭上から嬉々とした声が聞こえた。





「何?自分から擦り寄って来るとかさ・・・もしかしてもう俺に惚れちまったか?」



「・・・・・・・・・。」




「おい、なんだそれ無反応かよ?って事は図ぼ「ウギィヤァァアアアア!!」・・・うおっ!」



なんと、俺が無意識に擦り寄ってしまったのはまじキモいホモ野郎の冬哉だった。最悪だっ!



勢い良く腕を突っ張り冬哉を押すと、ズドンと音をたてベッドから落ちる。







となると・・・、つまり俺は、冬哉と仲良くお昼寝してたって訳か!?



「キモいっ、気持ち悪いっ!!ていうかてめっ、まずは服を着ろ!」




キモいはまだいいが気持ち悪いはショックだぜ・・・と頭を擦りながら起き上がった冬哉は、上半身裸。



ものすごくバランスのとれた筋肉をこれ見よがしに見せ付けてくる。
貧相な体で悪かったなぁ!!
どうせつるぺただよコノヤロー!
筋肉なんてちょびっとしか付いてねーよ、悪ィか!








・・・ていうかさ・・・じゃあさっきまで俺は冬哉に抱き着いて、いた事になるんだよな?



いやちょっと待て、うん、落ち着け俺。考えろ俺!
お前ならできる筈だ友希!



さっき擦り寄った時・・・、冬哉を抱き枕かと思ってぎゅっと抱き締めたんだったよな、背中に手ェ回してたよな、多分あいつの胸板に顔埋めてたよな・・・?





「れっ、冷静になれるかぁバカタレェエ!!最悪だぁ!今すぐシャワー浴びに行きたい!こいつにくっついてしまったという過去を洗い流しに行きたいっ!!」



真面目に鳥肌が立ってるぞ俺!!


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あきゅろす。
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