小説
歳の差と強がり(政宗)
『まだダメ』
まただ。
いつになったら良いのか。
俺は、蓮見の事が好きだ。
ずっとずっと好きだ。
なのに、こいつは受け入れてくれねぇ。
何故か。
歳の差だ。
俺と、こいつの間には六つの差が有る。
俺は、全くもって気にしないが、蓮見は気になるらしい。
女心ってやつらしいが…。
そんなん知るかよ。
『まぁた子供扱いしやがるぜ。俺はお前が好きだっつってんだよ!!それに歳の差なんて関係有んのかよ!!!!』
おっと、思わず喚いちまった。
coolに行こうぜって、おいおい…。
蓮見を見ると泣きそうな顔をしている。
『おい蓮見?』
声を掛けると、いつに無く弱々しい声で俺に云う。
『政宗はさ…、何でそうやって…いつもあたしを掻き乱すの』
掻き乱すって…。
『あたしだって、政宗が好きだけど…、今まで散々強がって来たから、もう今更崩せない…!!』
ちょっと待て。
『今、好きっつったよな?』
『あ…』
カーッと紅くなる蓮見。
ったく、可愛い奴だぜ。
『だからよー』
蓮見の頬を両手で包んで固定する。
目を逸らさない様に。
それにしても…大きな目に涙が今にもこぼれんばかりだ。
全部吸い取ってやりてぇな。
『俺はお前が好きだっつってんだよ。』
びくっと蓮見の身体が奮える。
『そんな強がり止めて、もっと俺に掻き乱されろよ?』
そう云って蓮見を抱き締めると、小さな声で『うん』と蓮見は云った。
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惚れ合えば、歳の差なんて。
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