告白(ツナ) 『好きっ』 ぶはっ! 思わぬ言葉に、飲んでいたイチゴ牛乳を勢いよく吹き出す。 そんな慌てるオレを見て、あはははと軽く笑う君。 「な、何急に言い出すんだよ」 告白した君より、されたオレの方が赤い顔をしている気がするんだけど。 『急にって…前からだよ?ツナ、知らなかったの?』 キョトンとした顔をする君に、オレはなんて言葉を返すべきなのか分からない。 女子から、それも気になる子からの告白なのに…。 ああ…ダメツナモード全開。 手にしていたイチゴ牛乳のパックに思わず力が入って、中身が地面に数滴落ちる。 『ツナ!イチゴ牛乳零れてるっ』 「え?わっ、本当だ」 慌てるオレに、君はハンカチを出して拭いてくれる。 「あ、あのさ、オ、オレも…好きだよ」 オレの手を拭いてくれる君の手を見つめながら、頑張って絞り出した言葉。 君を見れば微笑み返してくれる。 『知ってるよ』 「へ?知ってた?」 『うん。だって…ツナ、よく……飲んでるもんね』 「…………はい?」 『イチゴ牛乳』 屈託なく笑う君。 イチゴ牛乳? は?何が? 『私も、そのイチゴ牛乳好きなんだぁ。美味しいよね』 好きって… 好きって… オレじゃなくて… イチゴ牛乳かよ!! 「そ、そうだね、オレもこれ好きなんだ。あはははは…」 ああ…もう、乾いた笑いしか出せない。 しばらく…イチゴ牛乳は飲みたくない。 [次へ#] [戻る] |