VOC@LOID
☆おにいちゃん
レン「カイトー。めー姉が呼んでる」
カイト「……うん」
僕の弟。
なのに。
“お兄ちゃん”って呼んでくれない。
せっかく弟ができたのに、呼んでくれない。
なんかそれって、切ない。
カイト「ねえレンくん」
レン「なに?」
興味なさそうに淡々と階段を降りてく我が弟。
って、ちょっと待てよ。
僕はお兄ちゃんなのに、なんで弟のことを“くん”付けしてるんだ?
もしかして、だから下に見られて呼んでくれないのかも。
確かに呼んでくれるミクやリンのことは名前で呼んでるから、ここはいっちょ呼んでやろうじゃないか!
カイト「れっ……レン!」
レン「えっ、なに!?いきなり大声だして」
カイト「えっ、あっ…ごめん」
あぁ!僕のバカ!
ここで謝っちゃったらダメじゃないかあ!!
レン「もぅ!なんなのさっきから!カイトは何がしたいわけ?」
カイト「えっ、いや、別に……」
やば。
怒らせちゃった…。
これじゃあいつまでたっても言ってくれそうにないな…。
〜次の日〜
僕は、視線をレンくんに向けた。
れ、れんく‥いまなんてっ…!?
レン「ありがとがく兄〜♪」
がくぽ「それで良かったのか?」
レン「うん!嬉しいっ」
がく兄だとぅっ!?
放心状態のカイトの為に状況を説明します。
1、珍しくがくぽが早く帰ってきた
2、ついでにお土産もくれるそうだ
3、ってレンくん!今がく兄って言った…?
4、なんで僕のことだけカイ兄って呼んでくれないのさ!
で、今にいたります。
彼はまだこだわっているのでした。
僕は、決心したっ!
レンくんにきいてみよう!!
カイト「レンくん、ちょっと来て」
レン「え、なに?」
とりあえずレンくんを部屋に入れて、じっ、と目を見つめて…。
カイト「めー姉、ミク姉、ルカ姉、がく兄!…リンはリンだけど」
最後のほうは小声になっていたが、それでもしっかり前をみた。
カイト「なんで僕だk レン「カイ兄」
………はい?
レン「…そうよんでほしいんだろ……?バカ兄」
カイト「き、気づいてたの?」
レン「全然全く。だって呼び名なんてどーでもいいじゃん。つーか」
ぽつりと、注意しなければ聞き逃してしまいそうな声で呟くレンくん。
レン「さっきの遠回しで気付かないほうがバカだろ…カイ兄」
照れくさそうに、でもハッキリと言ってくれるレンくんが可愛くて、自然と顔が緩んでしまった。
カイト「ねぇねぇレンくーんっ。お兄ちゃんって呼んでほしいなーっっ」
レン「うっ…;;言うかバカイト!!」
カイト「えっ!なんでいやなのっ!?」
本気で傷ついてる僕をみて、困ったようにレンくんが笑った。
end
前サイトより。
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