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ドラゴン・バスター
第一章 7
竜一はリリスを抱えながら裏通りの中へと突っ込んだ。

「京介!」

その少年を見つけた竜一は満面の笑みを浮かべ叫んだ。京介は困惑したように笑みを浮かべる。そのまま竜一は京介の前を通り過ぎながら叫んだ。

「京介、ついてこい!」

京介は困惑しながら竜一が入ってきた角に目を向ける。少しした後、そこから入ってきた四人の男達を見て、大体を理解し、とたんに走り出す。

竜一に追いつくのにそう時間はかからなかった。

「今度は何ですか? ていうか、その人は?」

京介は竜一の腕の中の少女に目を向ける。

「ああ、何か政府の関係者らしいんだが、こいつが帰りたくないっていうから」

京介は深いため息をついた。懐から、一個の黄色の球体を取り出す。

「何だそれ? また例のガラクタか?」

「だからそのガラクタっていうのやめてくださいよ。あいつら撒くのには、これが一番ですよ。まあ、見ててください」

京介は後ろに男達がいるのを確認した後、曲がり角の手前でそれを投げる。

「早く、そこに隠れて!」

三人はその曲がり角に飛び込む。

瞬間、球体は炸裂し、大きな光を放つ。そして、光が止もうとした時、突風が男達を吹き飛ばした。

曲がり角の奥にいた竜一は、その力に呆然とした。

「な、何だ。この威力?」

「ふふふふふふ。よくぞ聞いてくれました。あの爆弾は〈KS―05〉といって閃光弾の一番中心に圧縮した空気を詰め込んだ新型の閃光弾なんで……あれ?」

京介は自分の横に気配がない事に気づき、横へと目を向ける。

リリスを抱えた二人は、とっくに走り出していた。

「あっ、ちょっと待ってくださいよ!」

京介は全力で走り出していた。



「…………で、あなた達はまんまとターゲットに逃げられてしまったと言う訳ですか?」

三人に逃げられた黒服達は、報告のために施設へと戻っていた。

「全く、あなた達は優良な知能こそないものの、兵士としての利用価値はあると思ったのですが……どうやら、私はあなた達を買い被りすぎたようです。あなた達より、まだゴキブリとかの方が使えるんじゃないですか?」

「す、すいません。しかし、もう一度チャンスをください。そうすれ……。」

男の言葉はそこで途切れた。首からは噴水のように血が噴き出し、その足下に男の首が転がっていた。

「チャンス? 何を勘違いしているんですかあなた達は。使えないクズは使い捨てになるのが当然というものでしょう。でも大丈夫。あなた達には、重要な役割を与えてあげます。」

男は背後の暗闇に向かって指を鳴らした。その音に応えるように、二体の〈ドラゴン〉が暗闇から現れた。

黒服達はゆっくりと後退りしようとする。

「おーっとそこから後ろに行かないように。つまらないでしょう?」

部屋の扉を開け、武装兵が入ってくる。その手にはマシンガンが握られている。

「……俺達に、どうしろっていうんだ? あんたは」

黒服の一人が、唇を震わせながら呟いた。

「別に。抵抗してみたらどうですか? 二十分保ったら、今回のことは許してあげてもいいですよ。」

嘘だ。

黒服は叫びたくなった。この男は許す気など毛頭ない。あの怪物相手に、自分達が二十分持たず全員死んでしまう自信があるのだ。

「この、化け物が。」

黒服は最後の言葉に文句を選んだ。それしか、この男に対抗する手段がなかったのだ。

「化け物ではありません。野望、野望修司です。さようなら。せいぜい、面白い動く獲物として、楽しませてくださいよ」

〈ドラゴン〉は三人に向かって跳びかかった。

三人の体はすぐにかぶりつかれ、一分としないうちにその体はなくなった。

そこには、誰の物とも分からない大量の白骨だけが残された。

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あきゅろす。
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