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君のすべてが欲しいんだ
(5)プレゼント
…なんだろう…すごくいい香り…この香りは…バラ?



………なんだこの部屋は…
目を覚ますと、部屋を一面埋めつくす程の、バラが置いてあった。


「ん、マリア起きたようだな…身体は大丈夫か?」

『…』

「そうだ、お腹すいただろう?今、朝食を用意させるからな」

『いい…お腹すいてなんかな…』

ぐうぅぅぅぅぅ…

『……』

そういえば昨日の夜、何も食べてなかった…

「クスッ、身体は正直だな。今用意させよう」

昨日の態度とは違い、優しい態度の彼。

…一体何を企んでいるのだろうか


「マリア…私が食べさせてやろう」

…は?

「ほら、口を開けて…あーん…」

『いい、自分で食べられる!』

「遠慮することはない。私がマリアに食べさせたいのだから」

彼はどうやら譲る気がないらしく、スプーンを渡してくれない。

空腹には勝てずに、仕方がなく、大人しく食べさせてもらった。

その間、彼は至上嬉しそうに、微笑んでいた。


食べ終わると同時に、メイドの人たちが、皿を片付けていった。

そして今は、彼…ジョットと二人きり…。

「マリア、何か欲しい物はあるか?マリアの為なら、何だってプレゼントする」

『…いきなりなんですか…それに、このバラも…』

「それは全てマリアの為に用意させた。私からのプレゼントだ」

『……』

「…?どうした?バラは気に入らないのか?
だったら、別な花を用意させ…」


『違うわ!一体どういうつもりなの!?』


「…女性はプレゼントに弱いと聞いのだがな…」

『な…っ!私はそんな安い女じゃない!』



「…では、どうしたら手に入るんだ…」

『…え?』

いきなり、ぎゅっと抱きしめられた。
抵抗しようとしたが、さらに強く抱きしめられる。

「マリア、初めてなんだ…私がこんなに本気で女性を愛するのは…
…だから、どうしたらいいか、分からないんだ…」

『………』

「マリアが…マリアのすべてが愛しくて、愛しくて仕方がないんだ…」

『…ジョット…』

抱きしめられたまま、真剣な目で見つめられ、どうしていいか分からない。


「マリア…マリアのすべてが…


  欲しいんだ…」

To be continue……

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あきゅろす。
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