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彼女の秘密
(6)魔王降臨!?
※前回の続き

ホウキに乗って約一時間。

迷子になったり、酔ったりしながらも、なんとか無事に並盛の森に着いた。


そして今はホウキから降りて、森の中を歩きながら探している。


辺りはもう暗くなり、少し…いや、かなり怖い・・


『ツナ…やっぱり明日にしよう…』


「何言ってるの、アリス…ここまで来たのに?」

………あれ?


『(…笑顔がどす黒いんですけど…!魔王スマイルだよ!)』


「アリス、俺が読心術使えるの忘れてる?」


…あっ、そういえば、そんなこと言っていたような…

すっかり忘れていたアリスだった。


『す、すみません…』


「いいよ(笑顔)」


ツナは笑っているが、やっぱり黒いオーラが出ている。


ブラックスマイル…!!


「……あ、」

『ツナ?』

何かを見つけたのか、ツナは歩く足を止める。


「アリス、スティックって、大きな赤い石ついてる…?」


『え?あ、はい』


「羽根みたいなの付いてたりする?」


『はい』


そういえば、ツナにスティックがどんな感じなのか、話すの忘れてた…


「……あれじゃない?」


『…え?あ…!あれです!私のスティック!』


少し離れたところにある大木の脇に置いてあった。


『見つかって良かった…』

スティックが見つかったことに安堵し、急いで取りに行こうとした。


「…!アリス、待て、大木に近づくな」


『…え?…!何か…いる』

スティックが見つかったことに喜んでいて、全く私は気がつかなかった…


辺りの草むらから、何かがジッとこっちを見ている。

そして…、


ガサガサと何かが出てくる音がして、私とツナの前に出てきたのは、…。



『え…犬?』


「そういえば、凶暴な野犬が出るって、聞いたことあったな」


『凶暴…?』


「何人か野犬に襲われたって聞いたけど」

『そ、そんな…!』

犬は好きだけど、野犬に襲われるなんて怖い…!


そしてあっという間に野犬たちに囲まれた。


ぶるぶる震えていると、野犬たちは私のほうに飛び掛かってきた。

『…!い、いやっ…』

私はあまりの恐怖に目をぎゅっと瞑る。


「おすわり」

静かな森に響いたツナさんの声―…



ゆっくりと目を開けると、野犬たちは大人しくなっていた。



・・・


魔王が降臨なされた!


アリス、誰が魔王だって?

『すみません…!』


また読心術ですか…!

なんか、ずるくない!?


「別にずるくないよね?」

『ですよねー』


もう勝てる気がしません…

「はぁ…じゃあ帰るぞ」


『は、はい!』


そしてスティックを持ち、ホウキに乗ってツナの家に帰った。

奈々さんたちに野犬に襲われた、と話すと凄く心配された。

ビアンキさんは野犬を倒してくると言い、ケーキを手に持ち出掛けようとしたので必死に止めた。

(でも、なんでケーキ?)

その後、皆で夕食を食べた。凄く賑やかだった


そして私はお風呂に入る。
人間界のお風呂は初めてなので少し戸惑った。




お風呂から出て、奈々さんに貸してもらったパジャマを着ると、私はツナの部屋に向かった。


ツナの部屋は私の部屋の隣だった。

トントン…

軽くノックすると中からツナが出て、部屋に入れてくれた。



『ツナ…』

「ん…?」

『一緒に探してくれて、ありがとう!それと…助けてくれてありがとう』


「クスッ…そんなのいいよ。アリスなら特別に、ね?」


『…!』


その時のツナの顔が、凄くカッコよくて…思わず見とれてしまった。


『(…あの黒い笑顔がなければな…)』


「アリス…黒い笑顔がなんだって?」


『すみませんでした!!(泣)』


・・・読心術、反対…!


*おまけ**

アリスはどうしても気になることがあった。

それを聞くのは、少し恐かったが、やはり気になり聞いてみた。



『ツナって…、二重人格だったりするの…?
会ったときと、感じが全然違う…』


「ああ、素はこっちだから…ね」


にっこりと笑うツナ。


『…そうなんだ』


ツナは黒かった…


続く…

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あきゅろす。
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