笑って…僕の姫君
act.5 ボス
長い廊下を進んで行くと、他の部屋よりも、一際大きな扉があった。
「椿…ここだよ。大丈夫、何か椿にしようとしたら、僕が迷わず咬み殺すから」
恭弥はそう言い、私に笑いかけた。
『あの、恭弥…ボスを咬み殺しちゃマズイんじゃ…?』
「いいんだよ、僕が並盛の秩序なんだから。それに、椿に手をだすのは誰だろうと許せないからね」
『えっ…』
…とりあえず恭弥はすごい人なんだと思った椿だった。
「綱吉、入るよ」
ガチャ
恭弥はノックもせずに、ボスの部屋の扉を開け、中に入っていった。
「…雲雀さん、ノックは、してくださいって、言ってるじゃないですか…これで何度目ですか…?」
部屋の中からは、ボスであろう人の声が、聞こえてきた。
優しそうな綺麗な声だが、何となく機嫌が悪いような感じだ。
「知らないよ、僕には関係ない」
「はぁ…それとその娘誰ですか?部外者入れちゃダメですよ」
そう言うと真っ直ぐ見つめられた。
『(…綺麗な人)』
とりあえず、どうしていいのか分からず、ボスを見つめ返した。
「…可愛いね、俺のものになるなら、ここで俺のメイドとして働いてもいいよ…」
バキッ
「綱吉…彼女は僕のだ。手を出したら、容赦なく咬み殺すよ。それと彼女は僕の部屋を使う…これで文句はないはずだ。
椿行こう」
雲雀はそう言い、ドアを思いきり開け出ていった。
『えっと、椿です。これからお世話になります。よろしくお願いします、ボス…それと、そちらの方も』
「「…!」」
『失礼します』
そう言い、椿は部屋を後にした。
――――――
二人が去った後のボスの部屋では―…
「…気に入ったよ、椿か…」
「珍しいな…ツナ…お前が女に興味を持つなんて」
「クスッ、そう言うリボーンだって、椿のこと、気に入ったんじゃないの?」
「…まぁな、少しは興味ははある。気配を完全に消した俺に気付くなんてな…」
「あぁ、それに結構可愛いかったし…拾った小猫を俺のものにするのもいいかな…クスッ」
「まぁ、俺好みでもあったがな…でもあんま、ちょっかい出し過ぎて、雲雀キレさせるなよ…」
「わかってるって。今度お茶にでも誘ってみようかな(笑顔)」
「……」
本当に分かってるのかよ!と、心の中でツッコむリボーンだった
「(…まぁ俺もツナのことあんま言えないがな)」
という会話が繰り広げられていた。
《おまけ》
一方の雲雀たちは…
「…はあぁ」
『恭弥?どうしたの?』
「いや…何でもないよ」
何かを感じ、椿を連れていったことを、後悔する雲雀だった。
「(誰だろうと、僕の椿に手を出したら、咬み殺す…)」
続きます!
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