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笑って…僕の姫君
act.3 彼女 ※雲雀目線
たった今僕は任務を終え、屋敷へと帰って来たところだ。

今日の任務は、はっきり言ってすごくつまらなかった。

ザコのファミリーの壊滅…
なんでもこのファミリーは密売、麻薬取引、人身売買などしていたようだ。

少しは楽しめそうかと思ったが、どいつもこいつも弱い草食動物だった…。


とりあえず部屋でゆっくりしようかと屋敷に入ろうとしたとき、近くで何かが落ちた音が聞こえた。


どうやら庭のほうからのようだ。

不法侵入者かと、トンファーを片手にその場所へと向かった。


そこには、びしょびしょに濡れた一人の女がいた。
僕は彼女に近付いた。


「ねぇ、君、不法侵入者かい?だったら咬み殺すよ」

彼女はゆっくりと僕を見た。彼女を見たとき、僕は…

彼女に魅入ってしまった。

彼女はとても儚げで、そして……綺麗だった。
きれいな黒い瞳、きれいな白い肌、きれいな濡れた長い髪。


どうやら僕は彼女に一目惚れしたようだ。


そして彼女に名前を尋ねると“忘れた”という返事が返ってきて、僕は驚いた。

「椿」


僕は彼女に椿という名前をつけた。


彼女は驚きと困惑した顔で僕を見ていた。


そんな彼女の手をとり、屋敷へと向かった。


彼女は抵抗してきたが、彼女には、やはり行く所がないようで、その後は大人しくなった。


そして僕は彼女をつれて、屋敷へと帰った。



強引かもしれないが、僕はどうしても、彼女と一緒にいたい。


居場所がないなら、僕が彼女の居場所になる…


だから、そんな辛そうな顔しないで…笑って…

to be continued……

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あきゅろす。
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