笑って…僕の姫君
act.9
私が風呂場で逆上せて気がつくと心配する恭弥がいて――…。
気がつくと同時に恭弥に抱きしめらた。
ボスさんや、リーゼントの人も居たにも関わらず恭弥は私を離そうとはしなかった。
今思うと、見られていたことが恥ずかしい…。
けど、恭弥に抱きしめられていると凄く安心する。
こんな気持ちは初めてで、既に私の中で恭弥は特別な存在になっていた。
『…っ、きょう、や…もう、無理…だよ』
「ダメだよ、椿。もう少し頑張って」
『…ん、もう…っ
食べられないよ』
私は沢山の料理に囲まれている。
あの後しばらく抱きしめ合っていた私と恭弥。
そんな中、部屋の外から声がかかった。
声の人物はさっき居たリーゼントの人。
「恭さん。用意が出来ました」
「ああ、すっかり忘れてたよ。草壁、早く入りなよ」
『…?』
何の用意ができたのか、全く分からないままの私。
失礼します、と言ってリーゼントの人は部屋にはいってきた。
大量の料理をのせたお盆を持って…
「椿、お腹すいたでしょ。ご飯にしよう」
そして次々と運ばれてくる沢山の料理たち。
豪華で美味しそうであったが量が尋常ではない。
軽く十人分はあるのではないだろうか。
運ばれてきた料理の量は1人で食べるには多すぎで、それに加え、まともに食事をとるのは久しぶりであり、あまり食欲がない。
そして早くも私はギブアップする。
しかし、そんな私に恭弥は
「もっとしっかり食べなきゃ駄目だよ」
と、残すのを許してくれない。
私も、せっかく恭弥が用意してくれたものなので、残したくなかった、が…頑張りにも限界はある。
『…っ、恭弥…』
「…仕方ないな、美味しかったかい?」
『う、うん』
確かに凄く美味しい料理だった。
「そう…よかった。椿」
『恭弥?』
「甘いものは別腹って言うよね」
『…え?』
一体何の話なのかわからないままの私を他所に、恭弥は携帯を手に電話をかけ始める。
「…うん、今すぐ持ってきて。」
それだけ話すと電話をきる恭弥。
何のことだか聞いてみるも、「すぐにわかるよ」と言い、教えもらえない。
そして数分後
「恭さん、頼まれてたものが届きました」
「うん、入って」
またリーゼントの人、草壁さんが来たようだ。
「椿、君にプレゼントだよ」
(続きは執筆中…)
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