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笑って…僕の姫君
act.8 心配

「…椿…っ」

(…ん、…誰か、いる?)
ぼんやりとした意識の中、聞こえてきた声。


まだ頭は完全に覚醒し切れていない。


「椿!!」


この声は…恭弥…?


「恭さん、落ち着いてください。大丈夫ですよ、頭とかも特に打った様子はないですし」


ああ、そっか…私、あのままお風呂で逆上せて、倒れちゃったのか…なんて考えていると…



「落ち着いてなんかいられないよ…っ、椿、死ぬなんて許さないよ!」
・・・・


「恭さん…死んでませんって…」

「椿…っ」


『…恭弥…?』


「…!椿…っ!」

『わっ…!』


名前を呼ばれ、同時に強く抱きしめられた。

…少し、痛い…。


でも…、心配、してくれたのかな…

『恭弥…』


ぎゅっと抱きしめる恭弥。

無意識に抱きしめ返そうと腕を伸ばそうとした時、不意に部屋の扉が開いた。


ガチャ、


「あれ、気がついたんだ。残念、せっかく椿の寝顔見れると思ったのに…」

空いたドアから入ってきたのは、ボスさん…確か、沢田さんだったかな…?


「……何しにきたんだい、綱吉」


「んー…ひやかし?」


「咬み殺す…」


ジャキッ


「あはは、冗談ですよ…半分は」


「…半分って、沢田さん…」

「頼まれたもの、持ってきたんですよ」

「……」

『…頼まれてたもの?』


「うん、椿の服をね」

『あ…』

そういえば、着てた服は雨に濡れて、びしょびしょだった。


そして、いつの間にかしっかり浴衣が着せられていた。


でも、この浴衣は男物なのか、かなり大きい。


『あ、ありがとうございます』

「いいよ、良いもの見れたしね…」

『…?』

そう言うと、沢田さんは恭弥のほうを見て、ニコニコ笑っている。


「…用が済んだら、さっさと出ていってくれる…」


「酷いなぁ…折角だし、もう少し椿と話したいんだけど、な」


「駄目」

きっぱりと断る恭弥に、沢田さんは溜め息をはく。


「…はぁ、わかりましたよ…椿、またね」


『はい』

笑顔で手を振り出ていく沢田さん。

「…では、恭さん、自分もそろそろ失礼します」

「…うん」

「椿さん、お大事にしてください」

『あ…はい』


そう言い、一度頭を下げて出ていく、リーゼントの人。

あ、名前、聞けなかった…。


『恭弥、さっきの人って…?』

「……」

聞いてみようとしたが、返事が返ってこない


『…恭弥?』


「心配…したよ…っ」

『…』

「急に倒れるから…っ」


心配…してくれるの…?私を…?


『恭弥、ごめんなさい…』
「うん」

『ありがとう』

「うん」

恭弥は更にぎゅっと、私を抱きしめた。



*おまけ***

「まさかあの雲雀さんが本気になるとは…ね」


「十代目…?どうかされました?」


「いや…何でもないよ」


椿か…


「そういえば、十代目!明日、全員任務から帰ってくると連絡ありました」

「ふーん…」


本当、面白くなってきた



to be continued…

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