笑って…僕の姫君
act.7 恐怖
――チャプン…
『…暖かい』
一人で入るには広すぎるお風呂。
その広さに驚く。
…まぁ…、こんなに広い屋敷だから、お風呂もこんな感じなのかな…、と自己完結。
ぼんやりと今までの出来事を考えた。
車にひかれたはずが、気がつけば、この屋敷の庭にいた。
何度考えても信じられない出来事…。
夢でも見てるのだろうか…
でも…、夢なら、覚めてほしくない…
(「君の居場所は僕(ここ)だよ椿」)
『私の、居場所…』
初めてできた、私の居場所。
今まで私には無かった。
恭弥は優しい…
私に向ける眼差しも、言葉も、全て。
でも、私は…
怖い…
大事になればなるほど、失った時辛くなる。
もう…あんな思いはしたくない。
(「…どこにも行かないよ)」
『…っ、』
(「椿を一人になんかしない。言ったでしょ、ずっと側にいるって」
)
恭弥を信じたい…でも、やっぱり失った時の事を考えると、すごく怖いよ…
何度もぐるぐると同じことを考えていて…
気づけば、酷く逆上せていた。
『…気持ち、わる…い』
意識が朦朧(もうろう)としてきて、急いでお湯から出ようとしたが―――
私は、そのまま意識を失った…。
To be continued…
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