笑って…僕の姫君
act.1 トリップ
どしゃ降りの雨の中、私は一人傘もささずに歩いている。
どこかに向かっているのではなく、何かを探すかのように…ただ歩いている。
私には帰る居場所はない家にも…学校にも…。
「あなたなんて産まれて来なければ良かったのよ!」
さっき家を出た時に言われた言葉が頭の中に響いた。
そう…私なんて生きていても仕方がないんだ…だったらいっそのこと…「にゃぁ」
…私の足元には、いつの間にか小さな猫がいた。
その猫はきれいな目をしていた。
その猫をよく見ると、足に傷があった。
私はポケットに入っていたハンカチをとり、猫の傷の足に巻こうとした。
私と同じ、一人ぼっちの猫がほって置けなかったのかもしれない…
猫は私から離れていった。しかし足が痛いのか、またすぐ先の所で止まった。
私が猫に触れようとした時、ププーーという音が聞こえたかと思うと、目の前にはトラックがきていた。
そして、体に強い衝撃を感じ、私の意識は途切れた…。
to be continued……
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