トラブル ライフ
トラブル(10)
だ、誰か助けてくださいっ…!
…キキーー、ガコン、グワン…
目、目が回る…、気持ちが悪くなってきた…
…ただ今、ツナさんと危険なドライブ中である。命懸けの…
いや、ドライブというよりはカーチェイスをしている。
…ドライブって、もっと楽しいものだよね…
ああ、太陽がまぶしい…
なんでこんなことに…!
前回…ツナさんのお気に入りの、(ウサギの)マグカップを割ってしまった為に、二人で買い物に行くことになった。
出かけるとき、リボーンさん達にばったり会い、着いていくと言ってきた彼ら。
「綾香と二人で行くんだけど…着いてこないでくれる…?」
真っ黒の笑顔で見据える、ボスことツナさん。
「10代目…!二人でなんて危険スよ!自分も着いて行きます!」
「抜け駆けなんて、駄目ですよ、ボンゴレ」
「綾香と群れないでくれる?咬み殺すよ」
「ツナ…俺も着いてくからな」
そう言ってくる、獄寺さん、骸さん、雲雀さん、リボーンさん。
着いていくと聞かない彼らに、とうとうキレたツナさんに手をひかれ、着いた先は凄く高級っぽい車の助手席で…
「とばすから…シートベルトしないと、知らないよ?」
『…はい』
素敵な(黒い)笑顔で言われ、ただ返事をするしかなかった。
『!?』
シートベルトを閉めた瞬間、すっごい速さで車が走り始めた。
『ちょっ…!ツナさん?』
「…何?」
『何って…とばし過ぎですよ…!危ないですよ!』
「これくらいのスピードじゃないと、追い付かれる」
『え?誰にですか…?』
「…後ろ」
『…?』
ツナさんはそう言うと、
バックミラーを通し、後ろを見た。
(後ろに誰かいるのかな…?)
『…!あれって…獄寺さん?』
後ろを見ると、またまた高級っぽい車に、運転する獄寺さんがいた。
「…あと、リボーンと骸と雲雀さん」
『…本当、意外な組み合わせですね…』
「全く…俺の邪魔するなんていい度胸だね…」
ツナさん…顔は笑っているけど、目が本気なんですけど…!
だ、誰か助けてぇ…!!
…そして、現在に至る。
ツナさんの運転する車に乗り、早1時間が経とうとしていた。
車のスピードは相変わらず速い。
「…綾香、大丈夫…?」
『はい…なんとか生きてます』
心配そうに尋ねてきたツナさんに、笑って答える。
『…でも、リボーンさん達も一緒のほうが良かったんじゃないですか?』
ボソッ「俺は綾香と二人で来たかったし…」
『…?ツナさん?』
何て言ったんだろう…
ツナさんの声が小さくて聞き取れなかった。
そんな綾香の様子を横目で見たツナは、深い溜息をつく。
「…はぁ」
『???』
そんなツナを綾香は不思議に思いながら首を傾げた
「まぁいいや…綾香、ちょっとハンドル持っててくれる?」
『え?ちょっ、何する気ですか!?』
片手に銃を構えるツナさん。
カッコイイ……じゃなくて…!
『ま、まさか、ツナさん…駄目ですよ!リボーンさん達を撃つなんて…!』
「綾香…何恐ろしいこと言ってんだよ…」
『えっ?違うんですか?…!っ…!』
ツナさんは答える前にハンドルを離し、銃を構えるので、私は慌ててハンドルを握った。
「…俺が狙うのは…」
パァン…!
『…!!』
「車の、タイヤ」
ツナさんの撃った銃弾は、一発でリボーンさん達の乗っている車のタイヤに命中していた。
「さて、これで邪魔はなくなった」
そしてツナさんはハンドルを握る。
リボーンさん達の車はもう後ろには見えなかった。
『あの…ツナさん、…リボーンさん達、大丈夫ですかね…?;』
「リボーン達はあれくらいじゃ死なないよ」
にっこりと素敵な笑顔のツナさんでした…。
『……(さすがツナさん…)』
この人だけは敵にしたくないと思った綾香だった。
それから数分後、車はどこかのデパートの駐車場に入っていった。
「…着いたよ」
生きてるって素晴らしい…!
バタン
「さて、行こうか。綾香」
『はい…』
お出かけは、まだ始まったばかり……
《おまけ》
一方、リボーン達は…
「ツナのやつ、やるな…」
「10代目ー」
ニヤっと笑うリボーンさんに、叫ぶ獄寺さん。
「…さて、そろそろ行きましょうか…どうせいつもの所でしょ」
「…だな(ニッ)」
「ってか…最初から店のほうで待ってても良かったんじゃない?」
「「「………」」」
(た、たしかに…)
雲雀さんのその言葉に、何も言えない彼らだったのでした。
続く…;
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