トラブル ライフ
トラブル(9)
…ついに来てしまった…。
私は今、大魔お…じゃなくてツナさんの部屋の前に立っている。
ど…どど…どうしよう…
普通に「失礼します」って入ればいいのかな…
いやいやいや、ここは思い切って、「頼もう!」とか…って、それは無理ー;
「綾香…いつまでやってるつもり…?早く入っておいで」
部屋の中から聞こえてきたツナさんの声。
ばれてる…
さすがボンゴレのボス…!なんて思いながら、ゆっくりノックをした。
「どうぞ」
『し、失礼します…』
ガチャっと入ると、同時に正面の椅子に座る彼と目があった。
ニコニコと笑っている彼。
なんだろう…後ろに見える黒いオーラは…
(…気のせいだよね、うん、見なかったことにしよう…)
「綾香さ、俺のマグカップ割ったでしょ?うさぴょんの…」
やっぱり、ばれてるー…ってか、うさぴょん!?
「あれ気に入ってたんだよね…俺のうさぴょん…」
『ツナさんって…ウサギ好き…なんですか…?』
「ウサギじゃなくて、うさぴょんなんだけど…」
や、やばい…なんかさっきよりもオーラが黒く…いや真っ黒になっていらっしゃる…
これ以上、黒くなる前に何としても謝まらなきゃ…
ならもう、今しかない…!
骸さんの指示どおりにしていく。
ツナさんのすぐ傍まで行き、目線は下のままで、彼の服をぎゅっと握る。
そして謝りながら、視線をゆっくり上げ、彼の顔を見つめる。
『ごめんなさい、ツナさんのお気に入りのマグカップ割ってしまいました…本当に…ごめんなさい…!』
怒られる…と思うと涙が溢れてきた。
「…!」
『(ど、どうしよう…ツナさん固まっちゃったよ)』
見上げると、彼は驚いたまま固まってしまった。
『…あの、ツナさん…?』
「…わかったよ、許してあげる」
『…!本当ですか…?』
恐るべし作戦O(オウ)…!
「ただし、条件がある」
『…条件ですか…?』
「…明日、非番なんだ…買い物付き合ってくれるんだったら、許してあげる」
………………
まさかの買い物のお誘いですか!?な、なぜだぁ…!
『いや、あの…ツナさ「ああ、それと…綾香に拒否権はないからね」
うわぁ…素敵な黒い笑顔…
『………』
「んじゃ、明日の朝8時にここにおいで。
じゃあ、俺まだ仕事残ってるから、バイバイ」
『………はい』
満面の笑顔で見送られ、ツナさんの部屋を後にした。
なぜだあぁぁー!!
心の中で叫ぶ綾香だったのでした。
―――――――
「…明日が楽しみだよ、綾香」
一人残されたツナの呟きは、広い執務室に消えた。
そのとき、凄く優しい笑顔でいたことは、本人も気付いてはいなかった。
続く…!
次回、ツナさんと二人で買い物に!そんな二人にトラブル発生!?
ツナさんと急接近…!
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