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極上ロイヤルティー
05


 大人というにはまだ早いような顔立ちで少し身の丈の低い男が小走りで走り寄ってくる。黒のマントで全身を包み深くフードを被っている。走る度に足元の裾が翻る。


「何だ、部外者は口を出すな」


 自分の意見に口を出されたのが気にくわなかったのか、店主が真っ赤な顔を更に朱に染めながら怒鳴る。


 男は店主の前にスタリと立つと深く被ったフードをとった。


「貴方は!」


 その瞬間周りから驚愕の声と畏れの混じった短い悲鳴が漏れた。店主の顔もみるみると青くなっていく。


 男は金の髪に深緑の瞳の持ち主だった。常に笑顔を浮かべ続けている優男だ。


 ただ他の人違うのは頬に月と星を象った国の象徴である模様の刺青が施してあることだった。これは何より国の権力者である証だった。


「私は王室付き魔導師のキルリ・モードスと申します。店主、その顔は私のこと――というよりも私の役職をご存知ですね。ならば話は早い。貴方が牢屋で一生を過ごしたくなければ少年を離して頂けませんか? 彼は国の重要参考人なのです」


「……は、はい」


 店主は震える手で少年を縛っていた縄をほどく。少年は何が起こったのか分からずにきょとんとしている。


「ありがとう。これはその少年が盗んだものの代金です。釣りは取っておいて下さい。お詫びです」


「あ、ありがとうございます」


 男は店主に金貨を一枚手渡した。





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あきゅろす。
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