fiction
トルソー(ある少年の独り言)
ぼくのおしごとはトルソー。
トルソーというものは
手足のないマネキンみたいなものだって
おかぁさんが言ってた。
ぼくには手足がないから、ぼくはトルソーなんだって。
昔はあったんだ。
ぼくが小学校にいってたときは手も足もあった。
だけどパパとママがりこんして、
パパがいなくなって、
あたらしいパパがきて、
それからすぐに、手と足をとられちゃったんだ。
痛かったような気もするけど
あんまりおぼえてない。
ぼくはまいにちきれいなお洋ふくをきせてもらえる。
それがぼくのしごとだから。
おしごとはおかぁさんが手伝ってくれる。
それから、あたらしいパパの部屋にいって
白いおしっこを飲まされるんだ。
おしっこはおいしくないし臭いけど、パパは優しくしてくれるからがんばれるんだ。
がんばれないとばらばらになっちゃうしね。
ぼくにはおねぇちゃんがいて
おねぇちゃんはぼくより先にトルソーになったけど
がんばれなかったみたいで、
庭でばらばらになってた。
おねぇちゃんみたいにはなりたくないなぁ。
end....?
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